キャニオン 2022エアロードCF-SLXインプレッション

ロードバイク

数年前から気になっていたキャニオンのロードバイクAEROAD(エアロード)を購入しました。
品薄が続く昨今の自転車業界。なかなか自分の欲しいロードバイクが手に入りにくい状況ですが、キャニオンは積極的にSNSを通して納期情報を知らせてくれる珍しいメーカーです。

と言うのもキャニオンの商品は通販でしか買えないので、自分たちの見込み客を増やそうと考えると必然的にTwitterやInstagramになるのは納得です。そんなこんなで、タイミングよく買えたAeroad CF SLX 8 Disc Di2について

ロードバイク 歴4年
クリテリウム最高順位3位


のパッとしない戦歴の筆者がインプレッションしていこうと思います。

まず、パッと乗っての印象は

『まぁ、ふつーに走るなぁ』ってところでした。


他の人のインプレなんかを見ていると
『乗った瞬間に剛性の違いが分かった!』とか
『5m走っただけでエアロ効果が体感できた!』だとか

とにかく絶賛の嵐でしたが、私のファーストインプレッションは先述の通り、クセのない普通のロードバイクと言うもの。しかし、得てして能ある鷹は爪を隠すと言いますか、限界の高い乗り物はいつだって普通の顔をして街中に潜んでいます。



過去に私は日産 R35GT-Rを公道とクローズドコースで走らせてもらった事があるのですが、高級スポーツカーなのに速度域の低い公道ではホントに普通の乗用車みたいで、車高の低いエルグランドみたいな乗り味だったことを覚えています。
変わってクローズドコースでは、羽もないのに車が離陸するのではないのか?と言う位のフル加速を見せと思えば、頭がフロントガラス目掛けて飛んでいきそうなくらいのブレーキ減速Gを残し、目の前で斜めに流れていく景色を見ながらのハイスピードコーナリングなどを見せてくれました。

つまり
キャニオンのエアロードも戦闘モードに入らない限りは至って普通のロードバイクなのです。
価格が高いモデルだから、『初心者には乗りにくい』とかそう言ったものは一切ありません。ではその戦闘モードの境目はどこなのか?



それは私が感じた限り、およそ時速27kmです。

これを超えてくると、その名前が示す通りエアロ効果が体感できる様になって来ます。いくつか例はあるのですが今回は3つあげたいと思います。

まず1つ目は


真っ直ぐ走る事。


なんだそれだけか。。。と感じる人もいるかも知れませんが、コレがどれだけ凄いことか。。。

また自動車を例に出しますが
最近の車なんかだと、高速道路でフラつくとカメラ&レーダーが動きを感知して電動パワーステアリングをアシストし、現状の車線を維持してくれたりしますが、エアロード にはそんな電子デバイスがなくても空力だけで真っ直ぐ走らせる事が出来るのです。

エアロード を真横から見ると太いダウンチューブやハイトの高いホイール等、とにかくゴツい印象を受けますが、実は正面や真後ろから見るとその車体はペラペラの板状である事が分かります。
その形状故、たとえライダーが後方確認のために振り返った際に右にフラついたとしても時速27kmを超える様なスピードであれば、空気の力で車体は強制的にに真っ直ぐ起き上がって来ます。つまり、何も考えなくてもフラつかず真っ直ぐに走るのです。
※これは、走行中車体が路面のうねりを拾って左右に振れたとしても同じ事。


かと言って、真っ直ぐ進む力のせいで車体を倒しこめないのでコーナーは苦手なのか?と聞かれればそんなことは無いです。高速コーナーであれば路面の小さなギャップも抑え込んでくれますし車体の倒し込みの増減も落ち着いて対処できる余裕に変わります。

反面タイトな低速コーナーだと少し重めの車体を切り返す必要があるのであまりエアロードの得意分野ではありませんが、ここに空力は関係無いので『むしろ個人のテクニックの差』を見せる場面なのかな?とも思います。


そしてエアロ効果が体感できる2つ目は


加速


ロードバイクの空気抵抗でよく言われるのが全体の8割強は『乗っている人間自身の抵抗だ!』と言うこと。コレに関しては私も全く異論はなく、むしろエアロロードバイクの過度な風洞実験を見て『ちょっとやり過ぎだよなぁ』と見ている側の人間でした。

が。。。、

実際に体感してみると、『なんてこった。。そんなことあるのかよ?』ってレベルで空気を引き裂いて加速して行ってくれます。
何て言うかね、理屈じゃ無いんですけど速度の伸びが他のオールラウンダーだとか軽量クライミングバイクとは違うんですよ。

実際の話なんですけど、エアロード で走行中にサイクルコンピューター(以下サイコン)に目をやって速度を確認しただけで30km/hから30.5km/hに速度が上がりました。
と思いきや、次の瞬間に速度は31km/hを示しているじゃ無いですか!?



もちろん『今からオレは加速するぜ』何て考えて脚に力を込めた覚えはありません。
まぁ、厳密にいえば潜在意識の奥に『あ、少し測度が落ちて来たかも?確認のためにサイコンでも見てみよっかな?』って思ってたかも知れませんが、それでもその程度。

その程度の意識に敏感に反応してくれるのはバイク自身の剛性の高さかも知れませんが、そこからの意識的な加速に関しては明らかにエアロ効果が見て取れました。
さぁ今から加速するぞ!と脚に力を込めてペダルを介しクランクを回します。
それ以外のロードバイクだと速度計は30km/h ……..31km/h………32km/hといった具合に伸びていきます。私もそんな感じでエアロードを加速させてみたんですが実際は



30km/h → 34km/h → 38km/h 。。。。。47km/h

!?

!!!!!

明らかに、伸び率がおかしい。


以前のメインバイクもUCI公認のmerida スクルトゥーラ(CF4:カーボンフレーム) で、チェーンステー長も加速に振り切った400mmだし、他の軽量バイクと比べても鋭いダッシュ力だと思っていたのですが、全くもってそれには歯が立ちませんでした。

感覚的には毎日5時間以上のトレーニングを365日こなして来て強靭な肉体を手に入れた自分が乗っているとしか思えないのですが、そんな過酷なトレーニングをした覚えは一切ありません。

完全に車体のおかげ。



そして 最後。3つ目の空力の体感は


ダウンヒル



最後にして一番効果を体感した項目かも知れません。
だって、ダウンヒルは乱暴な言い方をすれば乗っている人間は何もしなくても良いのですから。

そう、何もしなくても恐ろしいくらいにエアロ効果を体感したのです。
私の生活圏には沢山の山があり、その中でもサイクリストに人気の六甲山(標高931m)と言う山があります。その標高故、もっぱらヒルクライムが人気なのですが上りがあれば当然下りもある。

私も六甲山には何度も通っていますが、最大斜度16%もある山なので、降るときは脚を動かさなくてもどんどん速度を上げて行ってくれます。『速度を上げて行ってくれます』と言っていますが、別にその速度に喜んでいるわけではなく出来れば安全に下山したいので、常にビビり気味で下っています。

したがって
下りの速度には人一倍敏感なのですが、それでも47km/hほど出ていました。
ではエアロード に乗り替えて同じ道、同じ乗り方をしてどうだったか?

と言うと結果、速度は53km /hでした。

何もしていないのにエアロードの方が6km/hも速い。
なんなら、その速い速度にビビって上体を起こして風の抵抗をいつもより多く受けていたと思うのですが、それでも超速スピードで下っていくことになりました。(ホント怖かった。。。)


ざっと3点ほどエアロードの空力効果について書きましたが、まとめると

・27km /h以下だと拍子抜けするくらいに平和なロードバイク。
・速度域が高くなればなるほど牙をむくエアロモンスター。


拙いインプレでしたが、ちょっとでも何かの参考になれば幸いです。

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