2022年10月某日。大阪のスノーピーク箕面でcanyon新型アルティメット(Ultimate)の試乗会があったのでそこに参加してきました。試乗できるグレードはエントリーグレードのSLから最上級グレードのCFRまで全種類。(贅沢)

Twitterでキャニオンジャパンさんをフォローしてたらサラッと募集していたので光の速さで申し込みしたのですが、定員になるまでそこそこ日を要していたのでそんなに焦らなくて丈夫だったみたい。ちなみに参加費用は1枠1,000円で40分の試乗が可能。
ここからがインプレの内容。
【見た目】
オールラウンダーと言いつつもエアロードに通ずるような造形が随所に見られ、なかなかかっこいい。カラーについては定番のホワイトとマットブラック。そこに加え今回はミドルグレード以下にパープルとブルーが展開。上位グレードCFRはシルバーとマットブラックのみ。
新色のパープルとブルーはアルマイト加工されたような発色だけれども、決してギラギラした感じではなくペールトーン(くすみ色)をミックスしたような落ち着いた艶ありカラー。


〜走行性能〜
以下、特記事項がなければ今回試乗したアルティメットCFRの話になります
【漕ぎ出し】
とにかく軽い。
ギアは前52T・36Tの仕様だが、まるで一回り小さい(軽い)50T・34Tを組み合わせてるような雰囲気。平坦は走り出しから35km/hくらいまでならエアロードと同じ位の空力効果が体感できるも、それ以上の領域はホイールのハイト次第。
【乗り心地】
CFRのカーボンは角が丸められた乗り心地。ミドルモデルのSLXまでのグレードだと段差を乗り越えた時はサドルを通して尻にビリビリ細かな振動を引きずるのに対し CFRは振動の波形が穏やかに、そして素早く収縮するイメージ。ほんの僅かな違いだけれど、走行距離が伸びれば伸びるほどそのアドバンテージは大きい。
ただし乗り心地が良いのはリアセクションのみ。
フロントセクションのヘッドチューブはこれでもかって程の高剛性っぷりで、フロントフォークに限っては剛性が高過ぎて『しなり』なんて物はほとんど無くもはや棒。
これはヒルクライム向けに仕立てた弊害なのか。。。
山の下りなんかではタイヤが跳ねやすくて、操縦性はエアロードより1割増しでナーバスだと感じた。(試乗車のタイヤはシュワルベプロワンTT空気圧5kgだったので、タイヤ自体が跳ねやすいとかは無いと思うし、例え空気圧を6kgに上げたとしても基本特性は変えられない印象)
※跳ねるの定義は、一度潰れたタイヤのゴムが元の形状に戻る前に次の衝撃がやって来て再び衝撃を吸収出来ない為の結果、車体を突き上げる。これを私は【跳ねる】と表現してます。
タイヤが潰れやすいと言うことは、フレームジオメトリーと剛性バランスの関係でフロントに荷重が乗り易いのかもしれない。

【重量】
車体重量はSサイズで試乗車の構成で6.32kgとの事だが、乗った感じはそこまで異次元の衝撃は無かった。おそらく最近の7kg台のロードバイクを持ってる人ならば10人中6人はそう感じると思う。

ただし、実際に持ち上げた時は感動できるレベル。自転車を車の屋根に積むシチュエーションでは圧倒的に軽いは正義。身長的に問題なければ非力な人でもラクラク鼻歌まじりで載せられる。

【コンセプト】
パーフェクトバランスと言うコンセプトとは実際に体感出来るのか?と聞かれればそれは間違いなくイエスと答える。フロント剛性からくるシビアな挙動はともかく全体的には長距離向けのフレーム設計だし乗ってて疲れるタイプのロードじゃ無い。
速度の伸び(爆発力)だって、同社にエアロードが存在しなければ、存在しなければ、存在しなければ、、、満点が付けられる領域。
【ライバル比較】
アルティメットCFRの購入に対して、比較対象をメリダの現行スクルトゥーラと比較するならば どちらを選ぶかは非常に難しい。
個人的な採点は
アルティメット84点(フロント振動吸収性の点がライバルに対しマイナスポイント)
スクルトゥーラ88点(乗り心地も良く速いが、カラー展開が少ない点と値段が高く納期が超長い点がマイナスポイント)
70点 色とカタチが気に入れば買い
80点 ドヤれる位メッチャ速い
90点 今のバイク売ってでも欲しい
100点 借金してでも欲しい
【まとめ】
すでに同社のエアロードを持ってる人に対して新型アルティメットを激推しする事は難しい。
ただ、1台しかロードバイクを持てない事情が有るならばこのバイクは後悔ないはず。あとは気にいった色が有るのか?と予算の都合だけ。
コスパ重視派であれば、ミドルグレードのCF-SLXを購入して更に2種類(高・低)のハイトホイールを用意できれば本当に完璧(パーフェクト)なのかもしれない。
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